漁期
ぎょき異読 りょうき
名詞
標準
fishing season
文例 · 用例
凡そ東京近くにて青鼠頭魚といふものは、春の末夏の初頃より数十日の間、内海の底浅く沙平らかなる地にて漁るものの釣に上るものを指して称へ、また白鼠頭魚とは青鼠頭魚の漁期より一ト月も後れて釣れ初むるものをいふ。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
いったいに潜水夫の仕事は、沈船作業(単に荷物を揚げるような簡単なものから、爆破解体、巨大船の浮上のような大規模なもの)のほかに、築港、橋梁、船渠等の水底土木作業や水産物の採集などであるが、沈船作業は主として春から夏の頃の凪ぎの海に限られており、水産物採集には勿論漁期がある。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
漁期にあらぬにや、小屋には人なくして、四つ手網むなしく空に懸れり。
— 大町桂月 『常磐の山水』 青空文庫
鰊の漁期――それは北方に住む人の胸にのみしみじみと感ぜられるなつかしい季節の一つだ。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
漁期の過ぎてゆくその毎年の割に比べて、蟹の高はハッキリ減っていた。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
毎年の例で、漁期が終りそうになると、蟹罐詰の「献上品」を作ることになっていた。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
ロ、漁期が終って、函館へ帰港したとき、「サボ」をやったりストライキをやった船は、博光丸だけではなかったこと。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
ハ、それから監督や雑夫長等が、漁期中にストライキの如き不祥事を惹起させ、製品高に多大の影響を与えたという理由のもとに、会社があの忠実な犬を「無慈悲」に涙銭一文くれず、(漁夫達よりも惨めに!
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫