折悪しく
おりあしく
副詞
標準
unfortunately
文例 · 用例
雨が歇んだので未醒画伯戦場ヶ原の真中へ三脚を立て、悠々写生を初めたところが、折悪しく吹き捲くって来た一陣の烈風に、画板を吹っ飛ばされ、絵の具は躍り出す、いやはや大|狼狽。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
五 ちょうど、別荘から出て来た新子と、折悪しく夫人の馬とが、出会頭になったのだ。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
ところが、その瓶は折悪しく階下の実験室においてありましたので、私は患者を椅子に腰かけさせたまま残しておいて、それを取りに階下におりたのです。
— コナンドイル 『入院患者』 青空文庫
――ローマでは、どんなに折悪しく、しかもどんなに妖怪のようなおせっかいをもって、私の野心の邪魔をしたことか!
— WILLIAM WILSON 『ウィリアム・ウィルスン』 青空文庫
折悪しく五百群賊盗みし来って、ここに営しいたので、送葬人一同逃げ散った。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
猿ヶ京村でのいま一人の同志H―君の事をM―君から聞いた、土地の郵便局の息子で、今折悪しく仙台の方へ行っている事などを。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
折悪しく震災後の交通がマダ常態に復さないので、電車の通ずる宵の中に散会したが、罪の道伴れとなった不運の宗一の可憐な写真や薄命の遺子の無邪気に遊び戯れるのを見ては誰しも涙ぐまずにはいられなかった。
— 内田魯庵 『最後の大杉』 青空文庫
それから、ちょうど折悪しくその時刻にもう一つの出来事が京橋の事務所で起ったのだ。
— 平林初之輔 『犠牲者』 青空文庫