幻辞.com

繻絆

繻絆
名詞
1
標準
文例 · 用例
その一つに繻絆一枚で腰掛けて老人の読んでゐた新聞に、三十何年とか撒水車を挽いてゐるといふ男の笑つて汗を拭いてゐる写真が通りがかりに見えた。
中原中也 夏の夜の話 青空文庫
剣道場の入口から、時々水を飲みに、剣道用の繻絆姿で現れるのは生徒だが、それは選手だから暑中休暇も帰省しないで道場にゐるといふわけである。
〔私が貧乏で〕 青空文庫
繻絆の前をハダけて、靴をツツかけて水を飲みにゆく。
〔私が貧乏で〕 青空文庫
メリヤス繻絆股引金二両二朱。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
女の衣物は相變らず雨に笹の白縮みだが、帶だけは換はつて、牡丹色の繻子と青みがかつた綿繻珍らしいものとの腹合はせになつて、帶あげは繻絆の袖と同じとき色のメリンスだ。
發展 泡鳴五部作 青空文庫
三千代は手拭を姉さん被りにして、友禅の長繻絆をさらりと出して、襷がけで荷物の世話を焼いてゐた。
夏目漱石 それから 青空文庫
傍に大きな行李が開けてあつて、中から奇麗な長繻絆の袖が半分出かかつてゐた。
夏目漱石 それから 青空文庫
平岡が、失敬だが鳥渡待つて呉れと云つた間に、代助は行李と長繻絆と、時々行李の中へ落ちる繊い手とを見てゐた。
夏目漱石 それから 青空文庫