金襖
きんぶすま
名詞
標準
文例 · 用例
金襖の一ばんいい日本間で、兄たちは、ひつそりお酒を飲んでゐた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
二階の金襖の部屋で、その師匠が兄に新内を語って聞かせた。
— 太宰治 『庭』 青空文庫
晩に都踊が見られなくっても差し支えなしかな」「なし、なし」と甲野さんは面倒臭くなったと見えて、寝返りを打って、例の金襖の筍を横に眺め始めた。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
それから正面の金襖を開くと、深尾が出た。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
一番目の幕があいて、金襖を背景に梅幸が、あの古典的な端麗な姿をあらわした時、私の耳についたのは、「音羽屋!
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
上段の間で、つきあたりは金襖のはまっている違い棚、お床の間、左右とも無地の金ぶすまで、お引き手は総銀に、葵のお模様にきまっていた。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
斉広がいつものように、殿中の一間で煙草をくゆらせていると、西王母を描いた金襖が、静に開いて、黒手の黄八丈に、黒の紋附の羽織を着た坊主が一人、恭しく、彼の前へ這って出た。
— 芥川龍之介 『煙管』 青空文庫
あっけにとられた了哲を、例の西王母の金襖の前に残しながら。
— 芥川龍之介 『煙管』 青空文庫