添寝
そいね
名詞
標準
文例 · 用例
お医者に連れて行きたくっても、お金も何も無いのですから、私は坊やに添寝して、坊やの頭を黙って撫でてやっているより他は無いのでございます。
— 太宰治 『ヴィヨンの妻』 青空文庫
おれのうちの女房などは、晩げのめし食うとすぐに赤ん坊に添寝して、それっきりぐうぐう大鼾だ。
— 太宰治 『嘘』 青空文庫
実の産の母御でさえ、一旦この世を去られし上は――幻にも姿を見せ、乳を呑ませたく添寝もしたい――我が児最惜む心さえ、天上では恋となる、その忌憚で、御遠慮遊ばす。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
」 姉は、ことしの春に生れた女の子に乳をふくませ添寝していた。
— 太宰治 『犯人』 青空文庫
何となくいじらしい気持が湧くのを泣かさぬよう添寝をして寝かしつけている子供の上に被けた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
掻巻はいつも神月と添寝した五所車を染めた長襦袢を裁ったのに、紅絹の裏を附けて、藤色|縮緬の裾廻、綿も新しいのをふッかりと入れて、天鵝絨の襟を掛けて、黄八丈の蒲団を二枚。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
これを機掛に、蝶吉は人形と添寝をして少し取乱したまま、しどけなく、乱調子に三階から下りて来て、突然、「どこにさ、」と嬰児の強請るようにいいながら、人前を澄した顔。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
が、例の大鞄が、其のまゝ網棚にふん反返つて、下に皺びた空気枕が仰向いたのに、牛乳の壜が白い首で寄添つて、何と……、添寝をしようかとする形で居る。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫