手っ取り
てっとり
名詞
標準
文例 · 用例
この絵には別にこれと云って手っ取り早く感心しなければならないような、一口ですぐ云ってしまわれるような趣向やタッチが、少なくも私には目に立たない。
— 寺田寅彦 『ある日の経験』 青空文庫
「諸君、手っ取り早く云ふならば、岩頸といふのは、地殻から一寸頸を出した太い岩石の棒である。
— 宮沢賢治 『楢ノ木大学士の野宿』 青空文庫
「諸君、手っ取り早く云うならば、岩頸というのは、地殻から一寸頸を出した太い岩石の棒である。
— 宮沢賢治 『楢ノ木大学士の野宿』 青空文庫
いつまでも聴き手を焦らしているのが能でもありませんから、ちっと尻切り蜻蛉のようですが、おしまいの方は手っ取り早くお話し申しましょう」と、半七老人は云った。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
一たい短気な人は速力が気に入るのだから何でも手っ取り早く先手を打って、先に望むことをしてやれば悦ぶものだ。
— 岡本かの子 『良人教育十四種』 青空文庫
手っ取り早く言えば、私は葛岡に理不尽な註文を持出して、葛岡を困まらせ、その困るところを見ることによって義憤を起して来る蝶子さんに、私を憎ませようとしたのです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
つまり言うたら、手っ取り早いとこ乳にありついたいうわけやが、運の悪いことは続くもんで、その百姓家のおばはん、ものの十日もたたんうちにチビスにかかりよった。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
「手間がはぶけて、手っ取り早いわい」 そう呟いたが、しかしさすがに豹吉はふと寂しそうだった。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫