新前
しんまえ
名詞
標準
文例 · 用例
新前橋驛野に新しき停車場は建てられたり便所の扉風にふかれペンキの匂ひ草いきれの中に強しや。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
※ 新前橋驛 朝、東京を出でて澁川に行く人は、晝の十二時頃、新前橋の驛を過ぐべし。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
維新前の話であるが、通りがかりの武士が早乙女に泥を塗られたのを怒ってその場で相手を斬殺した事件があって、それを種に仕組んだ芝居が町の劇場で上演されたこともあったようである。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫
維新前牛肉など食うのは禁物であるからこっそり畑へ出てたき火をする。
— 寺田寅彦 『言葉の不思議』 青空文庫
どういうものか、はい、御維新前まで、越前の中で、此処一山は、加賀領でござったよ――お前様、なつかしかんべい。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
なかにも、これはちいッと私が知己の者の維新前後の話だけれども、一人、踊で奉公をして、下谷辺のあるお大名の奥で、お小姓を勤めたのがね、ある晩お相手から下って、部屋へ、平生よりは夜が更けていたんだから、早速お勤の衣裳を脱いでちゃんと伸して、こりゃ女の嗜だ、姉さんなんぞも遣るだろうじゃないか。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
維新前には多くの土蔵を建て列ね、数頭の馬車を貯えて、江戸の諸大名の御用商人を勤めて居た。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
丁度お前達の方のご維新前ね、日詰の近くに源五沼という沼があったんだ。
— 宮沢賢治 『風野又三郎』 青空文庫