浄
きよし
名詞
標準
文例 · 用例
少しもこねかえしがないから一読純粋な清浄な感情が味われる。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
『万葉集』の第七巻の歌 (一二三九番)に「浄奚久」とあるのを「サヤケク」と訓してあります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
「サヤケク」は浄いという意味でありますから、これでよさそうでありますが、この「奚」は「さやけく」の「け」とは仮名の類が違います。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
しかるに、この「浄奚久」の「奚」は仮名の方から見ると甲類に属するのでありますから、「さやけく」と訓することは出来ないわけであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
なお仏教語として品を呉音で読んで極楽浄土の階級性を表わす場合もあるが、広義における人事関係と見て差支ない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
第一の反対理由は、我々の日常使用している言語の大部分は外来語であるから今更、外来語を不浄扱いして排斥しないでもよかろうというのである。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
しかし彼が自ら言ふ通り、今の彼が詩を書く気持は、昔のやうに張り切つたものではなくつて、飽食の後に一杯の紅茶をすすり、労作の後に机を浄めて、心の余裕を楽しむ閑文学の風雅にすぎない。
— 俳人としての芥川龍之介と室生犀星 『小説家の俳句』 青空文庫
穂高といわず、槍ヶ岳といわず、奥常念、大天井に至るまで、万古の雪は蒸発しないで下層から解ける雪だ、死の如く静粛に、珠の如く浄美な雪から解けた水の、純粋性の緑を有することは、言うまでもない。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫