葉擦れ
はすれ
名詞
標準
文例 · 用例
「新植の竹でも一人前に葉擦れの音をさせるから妙さ。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
チューリップがざわざわと葉擦れの音を立て、花は狼藉に渦巻いた。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
と、その静寂を破って、遠く、低い、木の枝を踏みつけるような、或は枝の葉擦れのような、慌だしい跫音が私の耳を掠め去った。
— 大阪圭吉 『死の快走船』 青空文庫
直ぐ眼の前のひときわ大きな灌木の茂みの向うで、ガサガサと慌しげな葉擦れの音がした。
— 大阪圭吉 『白妖』 青空文庫
そこまで素早く走ったが、神妙を極めた潜行ぶりで、葉擦れの音も立てなければ、足音一つ立てなかった。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
押し込んで行け」「いや今夜は引っ返したがいい」 彼らの囁やきは葉擦れのようであった。
— 国枝史郎 『銅銭会事変』 青空文庫
祝ってほしい誕生日ではないが、祝ってくれた父や母や伯母も、いまは墓石になって、わたしの植えた珊瑚樹の葉擦れの音を聞きながら、青山の墓地に眠っている―― と、伊東はその晩の日記に書くことであろう。
— 松本泰 『暴風雨に終わった一日』 青空文庫
と、十数間のかなたから、木を潜って逃げて行く、葉擦れの音が聞こえてきた。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫