船待ち
ふなまち
名詞
標準
waiting for a ship to depart
文例 · 用例
ここからジャワへ渡る船は一週間に一度ぐらいしか出ないので、船待ちの客はどうでもこの町に滞在して、ゴム園見物などに日を暮らすよりほかはない。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
まるで、悲しむような、それでいて、異常な興味をたたえている、抉るような視線を、船待ちの屍体のうえに注いでいるのだった。
— 小栗虫太郎 『地虫』 青空文庫
傍に来合せた巡査に日本の汽船が碇泊して居るかと聞いたら、一昨日常陸丸が出て仕舞つたと語つて、本国へ帰る為めに船待ちをして居る日本人だとでも思つたらしく其巡査から気の毒|相に顔を眺められたのも淋しかつた。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
神話時代には、神功皇后が船待ちの徒然に、裳の糸をぬかれて、初めて鮎をお釣りになつたと云はれてゐるが、その後の海幸山幸の話にしても、今でも石器時代の骨の釣針が貝塚から出ると同じで、原始生活者にとつては「釣り」は生活の一部であつた。
— 佐藤惣之助 『日本の釣技』 青空文庫
○ささなみの志賀の辛崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ 〔巻一・三〇〕 柿本人麿 柿本人麿が、近江の宮(天智天皇大津宮)址の荒れたのを見て作った長歌の反歌である。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
「船待ちかねつ」は、幾ら待っていても駄目だというのだから、これも人間的に云っている。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
然るに人麿の歌は前の歌もこの歌も、「船待ちかねつ」、「またも逢はめやも」と強く結んで、全体を統一しているのは実に驚くべきで、この力量は人麿の作歌の真率的な態度に本づくものと自分は解して居る。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
つぎに、ただ今ではありませんが、その昔よくあったことで、船待ちをしないマジナイというものがあります。
— 井上円了 『妖怪学一斑』 青空文庫
作例 · 標準
離島からの連絡船が遅延しており、待合室は船待ちの乗客たちでごった返している。
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港の近くの小さな食堂は、船待ちの間に食事を取るドライバーたちでいつも賑わう。
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寒い風が吹く岸壁で、コートの襟を立てながら一時間以上も船待ちを強いられた。
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