合壁
がっぺき異読 かっぺき
名詞
標準
neighbour with just a wall between
文例 · 用例
」 と幾度も一人で合点み、「ええ、織さん、いや、どうも、あの江戸絵ですがな、近所合壁、親類中の評判で、平吉が許へ行ったら、大黒柱より江戸絵を見い、という騒ぎで、来るほどに、集るほどに、丁と片時も落着いていた験はがあせん。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
晴天五日を打つと云ふ東京相撲の画びらの眼ざましさは、お末はじめ近所合壁の少年少女の小さな眼を驚かした。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
妻の何某はいつの頃よりか、何となく気欝の様子見え始めたれど、家内のものは更なり、近所合壁のやからも左したる事とは心付かず、唯だ年|長けたる娘のみはさすが、母の気むづかしげなるを面白からず思ひしとぞ。
— 北村透谷 『鬼心非鬼心』 青空文庫
その時には近所合壁から大人までが飛び出して来て、あきれた顔をして配達車とその憐な子供とを見比べていたけれども、誰一人として事件の善後を考えてやろうとするものはないらしく、かかわり合いになるのをめんどうくさがっているように見えた。
— 有島武郎 『卑怯者』 青空文庫
寄れば触れば高慢の舌爛してヤレ沙翁は造化の一人子であると胴羅魔声を振染り西鶴は九皐に鳶トロヽを舞ふと飛ンだ通を抜かし、何かにつけては美学の受売をして田舎者の緋メレンスは鮮かだから美で江戸ツ子の盲縞はジミだから美でないといふ滅法の大議論に近所合壁を騒がす事少しも珍らしからず。
— 三文字屋金平 『為文学者経』 青空文庫
従来のような生活ぶりの作家たちが、自身の内にある所謂文壇的、文学的関心以外の諸要素、家庭的な感情だとか、近所合壁への義理だとか、些細な日常利害だとかを、直ちに自身の中の民衆的なるものだとすれば、それは大きい誤りなのである。
— 宮本百合子 『文学の大衆化論について』 青空文庫
堅気な、そしてくだける波にさえ花は咲くものを、という思いを抱いている一葉にとって、そういう近所合壁にまじって遂にここに朽ち果て終る我が身かという不安は、追々新たな落つかなさ、焦燥となって迫って来たにちがいない。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
これは郊外に出て遊ぶ事で一家一族近所|合壁などの心安き者が互にさそひ合せて少きは三、四人多きは二、三十人もつれ立ちて行くのである。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
作例 · 標準
お隣さんとは合壁なので、生活音が聞こえることもある。
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昔ながらの長屋は、合壁の家が多い。
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合壁の家に住んでいて、壁一枚隔てた向こうに誰かがいるという感覚が好きだ。
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