襤褸屋
ぼろや
名詞
標準
文例 · 用例
」 大通へ抜ける暗がりで、甘く、且つ香しく、皓歯でこなしたのを、口移し…… 九 宗吉が夜学から、徒士町のとある裏の、空瓶屋と襤褸屋の間の、貧しい下宿屋へ帰ると、引傾いだ濡縁づきの六畳から、男が一人|摺違いに出て行くと、お千さんはパッと障子を開けた。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
見当からいうと、百助の横丁を西に突き当った所が三軒町で、其所に三島神社があるが、その近所に襤褸屋があって、火はこれから揚がったのだ。
— 浅草の大火のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
がんじょうそうな家がくちゃくちゃにつぶれている隣に元来のぼろ家が平気でいたりする。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
そうかと思うとぼろ家がつぶれて丈夫そうな家がちゃんとしているという当然すぎるような例もある。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
その軸も羊三が近頃ぼろ家を自分のものにすることができたなどの悦びの積りだと思はれた。
— 徳田秋聲 『籠の小鳥』 青空文庫
千、万のぼろ家は、ぐっしゃり一潰れだ。
— 宮本百合子 『対話』 青空文庫
手取り三十万近い金がはいると、その金でぼろ家を買つては手入れをして三、四倍には売つた。
— 林芙美子 『晩菊』 青空文庫
手取り三十万近い金がはいると、その金でぼろ家を買っては手入れをして三、四倍には売った。
— 林芙美子 『晩菊』 青空文庫