梲
うだつ
名詞
標準
文例 · 用例
サムラヒハ ゲタヲ カツテ、コドモタヌキノ バケタ ゲタヲ オモテニ ダシテ ヤリ、オアシヲ ヒトツ ヤツテ、「ヤ、ゴクラウダツタノウ」ト イヒマシタ。
— 新美南吉 『ゲタニ バケル』 青空文庫
人は物を見定めることが大切で、捨つべきことは思い切りよく捨てねばならない、それのできないようなものは一生ウダツが揚がらないと、日ごろ口癖のように言っているのもお隅だ。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
そして、わたしの妻とは、彼女の父がとりきめた約婚者であつたのだが、民蔵(父)が昔の恩をかさに、あまり頻繁に金のゆう通ばかりを命ずるので遂に喜太郎氏は愛想を尽かして、「あんな横着者の娘などを貰つたら、到底ウダツのあがりつこは無いから、逃げるよ。
— 牧野信一 『茜蜻蛉』 青空文庫
『純文壇へ来た所で、ウダツの上らない連中が、大衆文芸の畑へ行き、漸くウダツが上ったんだ』とね」問「それは勿論偏見でしょうね?
— 国枝史郎 『大衆文芸問答』 青空文庫
官吏のウダツが上らず、最近までは、逓信省などに於ける放送協会などのような古手官吏の捨場もない、沈澱官吏の溜りである文部省にして見れば、例えば関屋閥というようなものがあったにしろ、少しも不思議ではないのである。
— 戸坂潤 『社会時評』 青空文庫
「それが証拠にはね、女に欺された野郎は、どうにかこうにかウダツが上るがね、男に欺された女は、どうもまあ十人が九人まで浮む瀬がないね」「なるほど」「だから、怨念はどうしても女の方に残る、化けて出たとか腫れて出たとかいうのは、大抵は女にきまっている」「なるほど」「清姫様などがそれだ。
— 竜神の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
オユデ、ウダツタノデ、ジヤガイモサンハイロガマツシロニナツテ、イゼンヨリモ、ウツクシクナリマシタノデ、ミンナオホヨロコビ。
— 村山籌子 『三匹 の こぐまさん』 青空文庫
思うに第一回目が最上の出来で、このときは気持に特別のハリがこもっていたせいか、却ってスラスラ、うまく呼吸もあい、ハデな珍演も湧出というていであったが、芸ごとゝいうものは本腰にかゝると全然ウダツがあがらぬもので、三日四日とだんだん自分のヘタさが我が目に立つばかり、自縄自縛というものだ。
— ――ゴロー三船とマゴコロの手記―― 『ジロリの女』 青空文庫