梅鉢
うめばち
名詞
標準
文例 · 用例
金魚藻、梅鉢藻だのという水草が、女の髪の毛のようになびいている中を、子供たちが泳いでいる。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
―― 清水の真空の高い丘に、鐘楼を営んだのは、寺号は別にあろう、皆梅鉢寺と覚えている。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
石段を攀じた境内の桜のもと、分けて鐘楼の礎のあたりには、高山植物として、こうした町近くにはほとんどみだされないと称うる処の、梅鉢草が不思議に咲く。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
」「ええ、梅鉢寺の清水の処で、――あの、摩耶夫人様のお寺をおききなさいました。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
梅の紋を、そのままは勿体ないという遠慮から、高山に咲く……この山にも時には見つかる、梅鉢草なんだよ。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
しかのみならず、梅鉢草の印の鏨を拾って、一条の奇蹟を鶏に授けたのを。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
一弁は梅鉢の形ちに組んで池を囲える石の欄干に中りて敷石の上に落ちた。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
その中でいちばん目立つのは梅鉢の紋の付いた暖簾のかかった藤十郎の部屋である。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫