一丁字
いっていじ異読 いっちょうじ
名詞
標準
single letter
文例 · 用例
處で、此女房が眼に一丁字の無いもので、泰然自若の意味が分らなくても、其言葉で如何にも泰然自若たる處が表れてゐなければいけない。
— 泉鏡花 『文章の音律』 青空文庫
私は眼に一丁字もない彼女が何をするのかと、訝んだ。
— 渡辺温 『可哀相な姉』 青空文庫
目に一丁字のないこの猴の前にいるときほど、文字による教養の哀れさを感じさせられることはない。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
漁夫など一丁字なき者は海図など見るも分からず、不断山頂の木また神社の森のみを目標として航海す。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
しかし文字のあるものが、目に一丁字のない床屋の若いものに、智慧をつけて、嵩じたいたずらをしたのが害になったんだから、なお責任は重大です。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
老耄せしにも由るべけれど、もとより目には一丁字もなし。
— 大町桂月 『赤城山』 青空文庫
伊藤は牙籌一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百屋お七か」と訊いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
元藩士の役人の家に生れながらおちかは眼に一丁字なかつた。
— 島木健作 『第一義の道』 青空文庫
作例 · 標準
「彼はあんなに知識人を気取っているが、実は一丁字も解さない無学な男だ」
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「一丁字も読めないまま異国の地に放り出され、彼は途方に暮れてしまった」
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「一丁字も書けなかった祖母が、ひらがなを覚えて最初に書いたのは私の名前だった」
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