霊愛
れいあい
名詞
標準
文例 · 用例
白川幸次郎が死んだ香世子の霊と交遊するように……というよりは、熱烈な霊愛に耽けるようになったのは、そういうことからであった。
— 久生十蘭 『雲の小径』 青空文庫
白川は霊界に足をとられて、抜きも差しもならなくなり、一年ほどの間、夢中低徊のおもむきで、根気よく現世と死後の世界を往復していたが、霊愛の修業も、霊の友会の解散で、はかなくも終幕となった。
— 久生十蘭 『雲の小径』 青空文庫
「おれも、どうやらバケモノじみてきた」 香世子との霊愛には、他人の知らぬ楽しさがあるが、うかうかと深入りして、みょうな羽目におちこんでしまったことを、後悔しているふうである。
— 久生十蘭 『雲の小径』 青空文庫
靈愛なるものを假定して、それが神聖だと云へるなら、その一方に假定した肉愛も同じだと云へるわけで――フロツクコートの學者と宗教臭い俗物とは、こと更らに肉慾を否定するだらうが、存在する肉慾を否定――進んで云へば、斷滅――することが出來るなら、意志を斷滅すると同樣、世界の滅亡を意味するのである。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫