踏み迷う
ふみまよう
動詞-五段-ウ行動詞-自動詞
標準
to lose one's way
文例 · 用例
愛子はいまにきっと自分以上に恐ろしい道に踏み迷う女だと葉子は思った。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
道に踏み迷うたとかいう話じゃが、どこへの旅の途中じゃ」「………」「怖うはない、いち夜はおろか、ふた夜三夜でも、そなたが気ままな程に宿をとらせて進ぜるぞ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
重景は語を續けて、『事の始めはくだくだしければ言はず、何れ若氣の春の駒、止めても止まらぬ戀路をば行衞も知らず踏み迷うて、窶す憂身も誰れ故とこそ思ひけめ。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
「われ三十路半ばにして道に踏み迷う。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
林学士は斯く云うた、北見、釧路、十勝に跨る針葉樹の処女林には、アイヌを連れた技師技手すら、踏み迷うて途方に暮るゝことがある、其様な時には峰を攀じ、峰に秀ずる蝦夷松椴松の百尺もある梢に猿の如く攀じ上り、展望して方向をきめるのです、と。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
折しも五郎兵衛は踊りの師匠の娘と恋に落ち、漁色の余裕を喪失して真の闇路を踏み迷う身となった。
— ぬばたまのなにかと人の問ひしとき露とこたへて消なましものを 『露の答』 青空文庫
流石に正成もハッとしたが、「これは大将御内の者でござるが、道に踏み迷うてかくの通り」 と、早速に云い放して足を早めた。
— 国枝史郎 『赤坂城の謀略』 青空文庫
そこで次に、おそらく何か他のものを不用意に私と思い違いしないように、かくてまたこのすべてのうち最も確実で最も明証的であると私の主張する認識においてさえ踏み迷うことがないように、注意しなければならない。
— MEDITATIONES 『省察』 青空文庫