留桶
とめおけ
名詞
標準
bucket used for cleaning oneself in a bathhouse
文例 · 用例
湯殿の留桶に水を汲んで、簀の子の上に出してある。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
さて通口に組違へて、角のない千兩箱を積重ねた留桶を、片手掴みで、水船から掬出しては、つかり加減な處を狙つて十杯ばかり立續けにざぶ/\と打ちまける。
— 泉鏡太郎 『錢湯』 青空文庫
猶以て念の爲に、別に、留桶に七八杯、凡そ湯船の高さまで、凍るやうな水道の水を滿々と湛へたのを、舷へ積重ねた。
— 泉鏡太郎 『錢湯』 青空文庫
此の小僧を、根附と云ふ身で、腰の處へ引つけて、留桶を前に、流臺へ蚊脛をはだけて、痩せた仁王と云ふ形。
— 泉鏡太郎 『錢湯』 青空文庫
* 毎年十月の候になると、流し場の壁や羽目に「例年の通り留桶新調仕候」というビラが掛けられる。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
留桶を平生使用している客は、それに対して五十銭、一円、或は二三円を寄附するのが習で、湯屋の方では「金何十銭、何某様」と書いた紙を一々貼り出すことになっているから、客は自分の面目上、忌でも相当の寄附をしなければならない。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
悪い習慣だと批難する人もあるが、留桶を新調するのは番頭の負担で、湯屋の主人は一切関係しない事になっているのであるから、番頭も寄附金を募らなければ遣切れないという理窟にもなる。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
花柳界に近い場所や、下町の盛り場にある湯屋では、浴客にみな相応の見栄があるから、こういう時には案外の寄附金が集まって、番頭は留桶新調の実費以外に相当の収入があったという。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
作例 · 標準
昔ながらの銭湯には、木製の留桶が並んでいて、いい香りが漂っていた。
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留桶にたっぷりのお湯を汲んで、一気に肩からかぶるのが一番の贅沢だ。
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「使った後の留桶は、ちゃんと元の場所に戻しておいてね」と番台さんに言われた。
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