御出木偶
おででこ
名詞
標準
doll used as part of a street performance (Edo period)
文例 · 用例
文政末年の秋の日ももう午に近づいて、広小路の青物市の呼び声がやがて見世物やおででこ芝居の鳴物に変ろうとする頃で、昼ながらどことなく冷たいような秋風が番小屋の軒の柳を軽くなびかせていた。
— 岡本綺堂 『放し鰻』 青空文庫
隣りのおででこ芝居では打出しの太鼓がきこえた。
— 石燈籠 『半七捕物帳』 青空文庫
冗談じゃねえ、えりにえって、あんなおででこ娘に白羽の矢を立てなくともいいでしょう。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
ええ、私がごく小さい時分に、両国におででこ芝居がございましたのと、妥女が原に小三という三人姉妹の芝居があり、も一つ、鈴之助というのがあっただけで、これらは葭簀張りの小屋でございますから、まあ私どもが、芝居小屋でやりました女役者のはじめのようなもので――初開場?
— 長谷川時雨 『市川九女八』 青空文庫
おででこ芝居合抜き。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
喧嘩だか、敵討だか、おででこ芝居だか、お茶番だか、呆れ返りながら、それでも道庵の言いつけ通り手出しを慎しんでいたが、急に舞台が展開して、思い設けぬ道庵先生の武勇のほどを見ると、そっくり返らないわけにはゆきません。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ヴィクトル・ユーゴーが初めてエルナニを上演した時に、一派のものは、わざとおででこ芝居を狩り催して、それにエルナニをカリカチアさせて欣んだ。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
珍しい双六 文政八年の書き物に、ある人のコレクションに古板双六が二十八種のっていて、そのうちの二つ、鶴屋版の「甘露壺双六」と、鱗形屋版の「かわるが早いおででこ双六」が私の手もとにある。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
作例 · 標準
例句