舎武
しゃぶ
名詞
標準
文例 · 用例
……それよりも楠氏の姫が、田舎武士をなぶるらしい。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
」 白い片掌を田舎武士の背にあてて、「あの俥がひとりでに、石段を、くるくるまいもうて上って来たら、どないしょ、……火の車になっておそろしかろな。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
田舎武士は、でんぐり返って、自分が、石段を熊の上へ転げて落ちる思がした。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
先隊の四将、蒲生源左衛門、蒲生忠右衛門、蒲生四郎兵衛、町野左近等、何|躊躇すべき、しおらしい田舎武士めが弓箭だて、我等が手並を見せてくれん、ただ一揉ぞと揉立てた。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
そんな田舎武士の心にも、好色的な風流気があって、美人を多く妻妾として集めたい望みを持っているのである。
— 玉鬘 『源氏物語』 青空文庫
母君がどうおなりになったか知れないようなことになって、せめて姫君を人並みな幸福な方にしないではと、自分らは念じているのに、田舎武士などに嫁がせておしまいすることなどは堪えうることでないと思っていることも知らずに、自身の力を過信している監は、手紙を書いて送ってきたりするのである。
— 玉鬘 『源氏物語』 青空文庫
おとどはすべてのことが調子はずれな田舎武士に、返歌などをする気にはなれないのであったが、娘たちに歌を詠めと言うと、「私など、お母さんだってそうでしょう。
— 玉鬘 『源氏物語』 青空文庫
色の黒い※野な顔をした田舎武士は、安政乙卯の年十月二日の午後十時、かの有名な安政の大地震に逢って、母を救い出そうとして家の中へ入ったところで、家が潰れて圧死した。
— 田中貢太郎 『死体の匂い』 青空文庫