草箒
くさぼうき
名詞
標準
broom
文例 · 用例
自分が姉を見上げた時に、姉の後に襷を掛けた守りのお松が、草箒とごみとりとを両手に持ったまま、立ってて姉の肩先から自分を見下して居た。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
校庭のひつそりした頃に、腰の曲つた小使が草箒を持つて出て来て、玄関から掃除に取りかかつた。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
朝から雨戸は開け放たれて歩けばぎし/\と鳴る簀の子の上の筵は草箒で掃かれた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
卯平は清潔好なのでむつゝりとしながら獨で居る時には草箒で土間の軒の下を掃いては鷄が足の爪で掻き亂した庭葢の周圍をも掃きつけて置いた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
捨吉は土蔵の廂間にあった裏の畠を掃く草箒を手にしたまま、丹精した草稿が灰に化って行くのを眺めていた。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
その度に捨吉は草箒で火を叩き消した。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
町々を飾る青い竹の葉が風に萎びてガサガサ音のするような日の午後に、捨吉は勝手口の横手にある井戸の側を廻って物置から草箒と塵取とを持って来た。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
学識 自分の眼の前で雨が降つてゐることも、雨の中に立ちはだかつて草箒をふり廻して、たしかに降つてゐることをたしかめてゐるうちにずぶぬれになつてしまふことも、降つてゐる雨には何のかゝはりもないことだ。
— 尾形亀之助 『障子のある家』 青空文庫