笛吹き
ふえふき
名詞
標準
flute player
文例 · 用例
「お久しいね、甚三さん」と云って、今度はかやの方に向直って、「おかやちゃん、これ(と云って若者を指さして)が松戸村(南の村落の名)の笛吹きの甚三さんですよ」とかやの、下げ髪の上に優しく手を置き乍ら、前屈みに顔をのぞき込んだ。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
おはやし方の笛吹きです。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
――円髷は四十|近で、笛吹きのごときは五十にとどく、というのが、手を揃え、足を挙げ、腰を振って、大道で踊ったのであるから。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
反歌春もやや潟の水曲を行きありく白鷺の眼の黒くするどさ童子柳河涼しさは水豊かなる柳かげ葦笛吹きて我等行けりし夏の照り葦辺行く子は魚籠もちて何か真顔の我にかも似る今ぞ見む郷国は童がどの顔も我によく似る太郎によく似る (妻に)町内菎蒻屋桶に藷磨り、飴形屋掛けて飴練る、蚊ばしらや春より立たむ。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
私は口笛吹き吹き行った。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
裏へと口笛吹き吹き行くと、 蔓細千成、茄子の花、おはぐろつけたて中年増、 黄と白、赤の葱坊主、毛槍かつげば供奴、 人蔘の花、八重垣姫の花かんざしの額髪、 花の痛いは種|牛蒡、勧進帳の篠懸けだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
君はこよひの舞臺にて、むかし羅馬の通衢を驅るに凱旋の車をもてせしアヌンチヤタがいかに賤客に嘲られ、口笛吹きて叱責せられたるかを見そなはし給ひしなるべし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
「笛吹きの小僧め、おれの寝ている間に逃げて行った。
— 白猿伝・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫