金々
きんきん
形容動詞
標準
文例 · 用例
) と湯気の上る処を、卓子の上へ置くんでございますがね、加賀の赤絵の金々たるものなれども、ねえ、湯呑は嬉しい心意気だ。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
一体昔の大名の別邸を取払った幾分の造作が残ったのに、件の洋風の室数を建て増したもので、桃色の窓懸を半ば絞った玄関|傍の応接所から、金々として綺羅びやかな飾附の、呼鈴、巻莨入、灰皿、額縁などが洩れて見える――あたかもその前にわざと鄙めいた誂で。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 ぺたりと這いつくばって言ったのを、「またしても金々と申すか!
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫
違棚には箱入の人形を大小二つ並べて、その下は七宝焼擬の一輪挿、蝋石の飾玉を水色縮緬の三重の褥に載せて、床柱なる水牛の角の懸花入は松に隼の勧工場|蒔絵金々として、花を見ず。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
鷹揚に構へてゐてこそ、人間の価値は自づと知れるものだて……」「あたしだつて、朝倉の親戚に……あそこの奴等だつて、実にもう何とも彼とも云ひやうもない我利々々亡者ばかりで、金々ツて、厭になつてしまふ。
— 牧野信一 『茜蜻蛉』 青空文庫
「あまりお前が金々というから実はちょっとからかったまでさ」「へえ、それにしてもこんな大金を……」 三右衛門は容易に手を出さない。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
」「役人をやめて、友人の仕事を手伝つてゐるンですが、資金関係と、統制で、いまのところ、手も足も出ないンです」「統制々々、税金々々で、どうも、我々の仕事はうまく滑り出す事が出来ません。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
「お母さんは又金々ばかり云うて、金なんかいくらあつたかてあかん。
— 先生の忠告 『貝殼追放』 青空文庫