擬宝珠
ぎぼし異読 ぎぼうし・ぎぼうしゅ・ギボウシ・ギボシ
名詞
標準
ornamental railing top
文例 · 用例
武蔵野に見るような黒土を踏んで、うら若いひのきの植林が、一と塊まりに寄り添っている、私たちの足許には釣鐘草、萩、擬宝珠、木楡が咲く。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
眼を挙げて日本橋を見ると晴れた初夏の中空に浮いて悠揚と弓なりに架かり、擬宝珠と擬宝珠との欄干の上に忙しく往来する人馬の姿はどれ一つとして生活に自信を持ち、確とした目的に向って勇ましく闘いつつある姿でないものは無い。
— 岡本かの子 『とと屋禅譚』 青空文庫
少しおくれて、童男と童女と、ならびに、目一つの怪しきが、唐輪と切禿にて、前なるは錦の袋に鏡を捧げ、後なるは階を馳せ下り、巫女の手より梭を取り受け、やがて、欄干擬宝珠の左右に控う。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
お兼は立去りあえず頭を垂れたが、つと擬宝珠のついた、一抱に余る古びた橋の欄干に目をつけて、嫣然として、振返って、「ちょいと滝さん、見せるものがある。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
今年、四月八日、灌仏会に、お向うの遠藤さんと、家内と一所に、麹町六丁目、擬宝珠屋根に桃の影さす、真宝寺の花御堂に詣でた。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
妙に心も更まって、しばらく何事も忘れて、御堂の階段を……あの大提灯の下を小さく上って、厳かな廂を……欄干に添って、廻廊を左へ、角の擬宝珠で留まって、何やら吻と一息ついて、零するまでもないが、しっとりとする帽子を脱いで、額を手布で、ぐい、と拭った。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
女は、帯にも突込まず、一枚|掌に入れたまま、黙って、一帆に擦違って、角の擬宝珠を廻って、本堂正面の階段の方へ見えなくなる。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
で、もう帰ろうと思いだしたが、此のまま帰っては此処へ来た印がないと思ったので、足もとの草を※りとって塔の処に探り寄り、それを塔の一番上の擬宝珠に結びつけて、それから草鞋の紐をなおして降りかけた。
— 田中貢太郎 『魔王物語』 青空文庫
標準
Welsh onion flower
標準
hosta
ウィキペディア
擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)は、伝統的な建築物の装飾で橋や神社、寺院の階段、廻縁の高欄(手すり、欄干)の柱の上に設けられている飾りである。ネギの花に似ていることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれる。
出典: 擬宝珠 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0