駁気
駁気
名詞
標準
文例 · 用例
歳月が経って欲が生じるにつれて、これも自然の推移だから仕方ないが、純気はその正反対の駁気を呼んで、自然々々と雑駁な気になって来る。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
また鏡の全部が明らかでないところが駁気なのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
児童でなくても教を受けて道を得、年齢は次第に老いても駁気にならない人は、やはり児童と同じく昼は少し血が上へ上り、夜は少し気が踵へ還って、そして身体の調子が整い、そして日夜に発達するのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
しかし、幼にしては長じ、長じては老い、老いては死ぬのが運命というものであるから、誰も彼も成長するだけ成長して仕舞えば、純気は次第に駁気になって仕舞う。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
駁気になって仕舞えば、気は或いは凝り、或いは散る習癖が付くし、またはその他の種々の悪習が付く。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
駁気で事に従っているのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
技は巧に力は強くても俗気や匠気(好評を期待する気持ち)の多い作品というものは、結局は駁気で事に当たっている人、即ち執筆臨布の時に当たっても俗意が口を出して何か囁き、その声を聴くところの人の作品である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
日々月々に張る気を湛えて純気となり駁気にならない習慣が付く結果、次第々々に人に褒められたいことも何時しか忘れるようになり、人に勝りたい、世に喜ばれたい、厚く酬われたいという念も次第に薄くなって来て、ただ我が或るものの命(内的要求)のままに描くようになる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫