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切り畑

きりはた
名詞
1
標準
hillside farm
文例 · 用例
言って見れば、この地方の遠い古は山にたよって樵務を業とする杣人、切り畑焼き畑を開いて稗蕎麦等の雑穀を植える山賤、あるいは馬を山林に放牧する人たちなぞが、あちこちの谷間に煙を立てて住む世界であったろう。
第二部下 夜明け前 青空文庫
切り畑焼き畑を開いて稗蕎麦等の雑穀を植えるもの、新田を開いて柴草を運ぶもの、皆元気いっぱいだ。
第二部下 夜明け前 青空文庫
それでもなお、五木以外の雑木と下草とは人民の自由で、切り畑焼き畑等の開墾もまた自由になし得た証拠は、諸村|山論済口の古証文、旧尾州領主よりの公認を証すべき山地の古文書、一村また数村の公約と見るべき書類等に残っている。
第二部下 夜明け前 青空文庫
音はと思うに、きりはたりする声は聞えず、山越えた停車場の笛太鼓、大きな時計のセコンドの如く、胸に響いてトトンと鳴る。
泉鏡花 春昼後刻 青空文庫
散策子は踵を廻らして、それから、きりきりはたり、きりきりはたりと、鶏が羽うつような梭の音を慕う如く、向う側の垣根に添うて、二本の桃の下を通って、三軒の田舎屋の前を過ぎる間に、十八、九のと、三十ばかりなのと、機を織る婦人の姿を二人見た。
泉鏡花 春昼 青空文庫
路は一際細くなったが、かえって柔かに草を踏んで、きりきりはたり、きりきりはたりと、長閑な機の音に送られて、やがて仔細なく、蒼空の樹の間漏る、石段の下に着く。
泉鏡花 春昼 青空文庫
渚は浪の雪を敷いて、砂に結び、巌に消える、その都度音も聞えそう、但残惜いまでぴたりと留んだは、きりはたり機の音。
泉鏡花 春昼 青空文庫
かまきりはたった今生捕ったばかしの小さな赤とんぼを、大事そうに両手でもって胸へ抱え込んでいる。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫