蓄膿
ちくのう
名詞
標準
文例 · 用例
或る「外国文学者」が、私の「ヴィヨンの妻」という小説の所謂読後感を某文芸雑誌に発表しているのを読んだことがあるけれども、その頭の悪さに、私はあっけにとられ、これは蓄膿症ではなかろうか、と本気に疑ったほどであった。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
サクラの花を見に行くのは、蓄膿症をなおしに行くのでは、無いでしょう。
— 太宰治 『正直ノオト』 青空文庫
蓄膿症じゃないかな?
— 太宰治 『渡り鳥』 青空文庫
蓄膿症でもあるのか鼻をくんくん鳴らして居る。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
おい、亀公、お前この俺を一ぺんでもびっくりさせることが出来たら、新円で千円くれてやらア」 蓄膿症をわずらっているらしくしきりに鼻をズーズーさせている亀吉の顔を、豹吉はにこりともせず眺めて、「――お前ら掏摸のくせに、千円の金を持ったことないやろ」「持たいでか。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
蓄膿をわずらったことがある。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
喘息と胃弱と蓄膿とに絶えず苦しまされている彼の身体が、自らの生命の短いであろうことを知って、第一の生き方の苦しさを忌避したのであろう。
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
蓄膿症や鼻加答児なぞで鼻の中が始終グズグズして、判断力や決断力の鈍った人なぞにも多く見受けられるようであります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫