いぬる
いぬる
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文例 · 用例
九つの歳父母に従うて東海道を下りし時こゝの水楼に※魚の塩焼の骨と肉とが面白く離るゝを面白がりし事など思い出してはこの頃の吾なつかしく、父母の老い給いぬる今悲しかり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
しゅっこは、はじめに、昨日あの変な鼻の尖った人の上って行った崖の下の、青いぬるぬるした粘土のところを根っこにきめた。
— 宮沢賢治 『さいかち淵』 青空文庫
そして一郎ははじめに、きのうあの変な鼻のとがった人の上って行った崖の下の、青いぬるぬるした粘土のところを根っこにきめました。
— 宮沢賢治 『風の又三郎』 青空文庫
まさしくも春はいぬるか、首欠けし道陸神よ。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
この日は朝の珈琲を部屋にて飲み、午ごろ大隊長とともにグリンマというところの銃猟仲間の会堂にゆきて演習見に来たまいぬる国王の宴にあずかるべきはずなれば、正服着て待つほどに、あるじの伯は馬車を借して階の上まで見送りぬ。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫
ここは四方の壁に造りつけたる白石の棚に、代々の君が美術に志ありてあつめたまいぬる国々のおお花瓶、かぞうる指いとなきまで並べたるが、乳のごとく白き、琉璃のごとく碧き、さては五色まばゆき蜀錦のいろなるなど、蔭になりたる壁より浮きいでて美わし。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫
『醒睡笑』三に「天に目なしと思い、ヌタナマスを食いぬる処へ旦那来り見付けたれば、ちと物読みたる僧にやありけん、よきみぎりの入堂なるかな、ここに歴劫不思議の法味あり、まず天地の間に七十二候とて時の移るに応じ、物の変り行く奇特を申さん。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
昼のうちに熟れていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
作例 · 標準
その計画はいぬるにいたった。
努力の甲斐なく、その事業はいぬってしまった。
長年の交渉もいぬるという結果に終わった。
その提案はプロジェクトチーム内でいぬった。