幻辞.com

延び

のび
名詞
1
標準
文例 · 用例
雨の夜 庭の芭蕉のいと高やかに延びて、葉は垣根の上やがて五尺もこえつべし。
樋口一葉 あきあはせ 青空文庫
またそれに関連して、横縞は左右に延びて場面の幅を広く太く見せ、縦縞は上下に走って場面を細長く見せる。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
それが既に四十歳を過ぎた今となっても、いまだ死なずにいる自分を見ると、我ながら浅ましい思いがすると、堀口大学君がその随筆集『季節と詩心』の中で書いているが、僕も全く同じことを考えながら、今日の日まで生き延びて来た。
萩原朔太郎 老年と人生 青空文庫
これより先に延びて行くことは、詩という言語を空無の中に無くしてしまう。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
もし日本に自然主義が渡来せず、過去の浪漫主義がそのまま延びて行ったら、すくなくとも、最近では、今少し世界的に進出していたであろう。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
そこに一種の鮮新な喜悦――心の視野が遠く延びて行くやうな喜悦――がある。
萩原朔太郎 石段上りの街 青空文庫
麥萩原朔太郎麥はさ青に延び行けり遠き畑の田作りの白き襦袢にえんえんと眞晝の光ふりそそぐ九月はじめの旅立ちに汽車の窓より眺むれば麥の青きに驚きて疲れし心が泣き出せり
萩原朔太郎 青空文庫
濕地には水芭蕉の青々とした廣葉が枯葦の間から、谷間には蕗の薹や福壽草が腐つた蕗の葉を蹴破つて、ずん/\と延びて行く。
有島武郎 青空文庫