新粉
しんこ
名詞
標準
文例 · 用例
見たが可い、こう、己が腕がちょいと触ると、学校や、道学者が、新粉細工で拵えた、貞女も賢母も良妻も、ばたばたと将棊倒しだ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
…… 屋台の様子が、小児を対手で、新粉細工を売るらしい。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
五 大当り、尺的に矢の刺っただけは新粉屋の看板より念入なり。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
そこに、先刻の編笠|目深な新粉細工が、出岬に霞んだ捨小舟という形ちで、寂寞としてまだ一人居る。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
が、そこの絵の、狐の面が抜出したとも見えるし、古綿の黒雲から、新粉細工の三日月が覗くとも視められる。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
彼方の新粉屋が、ものの遠いように霞むにつけても、家路|遥かな思いがある。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
舞台を見返す瞬間、むこうから、先刻の編笠を被った鴉ような新粉細工が、ふと身を起して、うそうそと出て来るのを認めた。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
理窟でこねては新粉でもうまい格好は出來ぬ例、所詮は手錬と胸とにあるを、生ざとりの指南、邪魔になるとも盡未來益に立ちさうな筈もなしと。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫