齢七
よわいなな
名詞
標準
文例 · 用例
而も、それが何もかも、し尽した年齢七十五のときの秋成の言だから、茶には何処か余悠のあることが判る。
— 岡本かの子 『新茶』 青空文庫
縁側もない破屋の、横に長いのを二室にした、古び曲んだ柱の根に、齢七十路に余る一人の媼、糸を繰つて車をぶう/\、静にぶう/\。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
茶山の七律は頷聯に「蒲柳幸将齢七十、枌楡猶且路三千」と云ひ、七八に「自笑樵夫寓朱邸、謾班群彦拝新年」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
流石剛頑な山名宗全も、文明五年には齢七十である。
— 菊池寛 『応仁の乱』 青空文庫
父母存在し、一姉あり、さきに他に嫁し、一弟あり、齢七歳にして没す。
— 井上円了 『妖怪報告』 青空文庫
船中に豪州の婦人、その齢七十七歳にして、老後の保養のために日本に東遊し、帰国の途に就きたるものと同乗す。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
全員、飯上げをして生気をとり戻すと、早速海難の状況を調べたが、船齢七十余年の老鉄船はふしぎにたいした損傷も受けていず、満潮を利用して離礁することができたらこのまま目的地へ辷りこめるかのような楽観的な考えを起させた。
— 久生十蘭 『ノア』 青空文庫
この時、この有様を見るに見兼ねて、猛然として演壇に起ったのは、齢七十に余る老ドクトルである、彼は打ち凋れたる聴衆の精神に、一道の活気を与えんがために、愁いを包んで却って呵々大笑し、まず彼らの視線をそこに集め、おもむろに口を開いていった。
— 木村小舟 『太陽系統の滅亡』 青空文庫