一纏め
ひとまとめ
名詞
標準
文例 · 用例
もし出来るならば、多数の歌人が銘々に口調のいいと思う歌を百首くらいずつも選んで、それらの材料を一纏めにして統計的に前述の波数や波長の分配を調べてみたら何かしら多少ものになるような結果が得られはしないかと考えるのである。
— 寺田寅彦 『歌の口調』 青空文庫
その他にも、私には三つ、四つ、そういう未発表のままの、謂わば筐底深く秘めたる作品があったので、おととしの早春、それらを一纏めにして、いきなり単行本として出版したのである。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
一纏めにきちりと片付いている代りには、出すのが臆劫になったり、解くのに手数がかかったりするので、いざという場合には間に合わない事が多い。
— 夏目漱石 『イズムの功過』 青空文庫
御米が何時もの通り服や靴足袋を一纏めにして、六|疊へ這入る後から追いて來て、「御米、御前子供が出來たんぢやないか」と笑ひながら云つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
レオナルド、ダ、食ひ散らした水蜜桃の核子やら皮やらを、一纏めに新聞に包んで、窓の外へ抛げ出した。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
みんな長くは持たない人ばかりだそうですと看護婦は彼らの運命を一纏めに予言した。
— 夏目漱石 『変な音』 青空文庫
社会は無政府主義者を一|纏めに迫害しているから、こっちも社会を一纏めに敵にする。
— 森鴎外 『食堂』 青空文庫
「御父さまが後々のためにちゃんと一纏めにして取って御置になったんですって」「そうか」 健三は自分の父の分別と理解力に対して大した尊敬を払っていなかった。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫