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残んの

のこんの
連体詞
1
標準
remaining
文例 · 用例
雲は野火の煙の低迷する如く、富士の胴中を幅びろに斜断して、残んの月の淡い空に竜巻している、うぐいすのなく音も交る。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
誘はれるでもなく覓めるでもなく、私の心が燻る……冬の明け方残んの雪が瓦に少なく固く枯木の小枝が鹿のやうに睡い、冬の朝の六時私の頭も睡い。
亡き児文也の霊に捧ぐ 在りし日の歌 青空文庫
この、しょびたれた参詣人が、びしょびしょと賽銭箱の前へ立った時は、ばたり、ばたりと、団扇にしては物寂しい、大な蛾の音を立てて、沖の暗夜の不知火が、ひらひらと縦に燃える残んの灯を、広い掌で煽ぎ煽ぎ、二三|挺順に消していたのである。
泉鏡花 菎蒻本 青空文庫
凍みこごる残んの日かげ、かさりとも移る音なし。
北原白秋 海豹と雲 青空文庫
反歌水うちて残んの日かげ濡れたるにもの言ひてます母のしたしさおなじく街中は瓦重なる夕かげをまだじじとある蝉が庭木に瀬戸内海しづかや船ゆきゆく。
北原白秋 夢殿 青空文庫
ああ小径には凋るる花残んの芳香を上げている。
国枝史郎 奥さんの家出 青空文庫
「ああ小径には凋るる花、残んの芳香を上げている。
国枝史郎 奥さんの家出 青空文庫
……満開の美が少しく凋れ、尚残んの芳香を、小径いっぱいに満たしている、そういう花の美しさ、そういう花を連想させる、二十五歳から少し出た、年増女で無いことには、俺の趣味性には合わないってものさ、季節から云ったら八月さ!
国枝史郎 奥さんの家出 青空文庫
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