不活
ふかつ
名詞
標準
文例 · 用例
その不活溌な状態は平常経験するそれ以上にどこか変なところのある状態だった。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅いだ。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
(春先からの徴候が非道くなり、自分はこの頃病的に不活溌な気持を持てあましていたのだった。
— 梶井基次郎 『路上』 青空文庫
それと同時に反面、時代後れや、不活溌、平凡、退屈があり、筋肉労働があるのです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
緑色素を有する菜類、即ち菘の類を与えなければ家鶏は多く不活発に陥る。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
やがて、「何故アア不活溌だろう」 ト口へ出して考えて、フト両足を蹈延ばして莞然笑い、狼狽てて起揚ッて枕頭の洋燈を吹消してしまい、枕に就いて二三度|臥反りを打ッたかと思うと間も無くスヤスヤと寐入ッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
衞生組合の不活溌は、村長に云はせれば、主として村醫の佐久間の責任であつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
睫毛の垂れた不活発そうな物憂い眼と、そうして思案にも心配にも容易に動かされないような、広い平らな顔とは、綺麗に切れて浮き出した顎や、きっと引き締まった下唇と、強い対照をなしていた。
— 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 『世界怪談名作集』 青空文庫