心行く
こころゆく
動詞
標準
文例 · 用例
すべての恋する人々は、自分等以外に全く人影のない離れ小島の無人島で、心行くまで二人だけの生活をし、二人だけの会話をしたいと願うのである。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
心行くまで私はお前を熱愛したのだ。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
彼女は朝起きの小児がよち/\近寄つて来でもすると、不自由な身体に懸命な力で抱き上げて、若蔦の芽を心行くばかり摘み取らせる。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
うい傷じゃ、その傷もって天上御政道を紊す輩あらば心行くまで打ち懲らせ、とまでは仰せないが、上将軍家御声がかりの直参傷じゃ。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
心行くまで彼等に腕を振わせる大舞台が開展したのだ。
— 菊池寛 『応仁の乱』 青空文庫
只眼を放つ遙か向の果に、樹の幹が互に近づきつ、遠かりつ黒くならぶ間に、澄み渡る秋の空が鏡の如く光るは心行く眺めである。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
私達は直ぐに抱き合って心行くまで接吻をして並んで椅子へ腰掛けました。
— 国枝史郎 『温室の恋』 青空文庫
もし彼の愛国者ソクラテスを牢死せしめたような無智な為政者の干渉なくして、青年たちを教え得る自由な学園が私に与えられるなら私はどんなに心行くことであろう。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫