紛らわせる
まぎらわせる
動詞
標準
文例 · 用例
その淋しさをまぎらせるため、私は姉の子供たちと将棋なぞやって気を紛らわせる。
— 田中英光 『野狐』 青空文庫
この隔絶から、また自らの手で孤独を紛らわせる必要があった私は、専らの少年時代を、我が家の塔の恐ろしく陰った図書館と、そこを埋め尽くすおびただしい数の古代よりの書物、近くの丘の足元を埋める光を宿したような雄大な木々、その永遠にも思われる日暮れの中、何の目的や考えもなく足を運ぶことで過ごしました。
— THE ALCHEMIST 『錬金術師』 青空文庫
それからまぎらわせるように慌てて立ち上りかけた。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
「もっとつき合ってくれな、もっと」「ほう、これはいい花だね」 と、田中はまぎらわせる様にしどろもどろに呟いた。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
そのくらい待てないわけではない、五郎さんは気をまぎらわせるために、精を出して働いた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
それは、しじゅうつきまとって離れない飢餓感から、気をまぎらわせるという副次的な効果もそなえているのだった。
— 山川方夫 『煙突』 青空文庫