漢鏡
かんきょう
名詞
標準
文例 · 用例
引續き著しき遺物は古鏡であるが、古鏡の發掘せられたものは、現に前漢時代即ち耶蘇紀元以前のものと考へられるものが、九州の北部、畿内の一部に發見せられ、後漢時代には既に畿内地方に於て漢鏡を變形したところの日本民族製作のものが多數に發見せられる。
— 内藤湖南 『日本文化とは何ぞや(其一)』 青空文庫
当時自分は、わが考古学界に古鏡の研究が盛んになって、わが古代の鏡は、シナ伝来の漢鏡で、その以前のものはないとのことが、黙々の間に承認されそうな形勢であったので、それに対するある意味の防禦線ではなかろうかと考えた。
— 喜田貞吉 『「鐵」の字の古体と古代の文化』 青空文庫
鏡玉剣の権威による統一は漢鏡と引き離して考えることが出来ない。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
――漢鏡というから、千年以上も昔のものだろうね。
— 山本周五郎 『葦は見ていた』 青空文庫
彼は祖母から貰った青銅の手鏡を持っている、さしわたし四寸ばかりの八花形の漢鏡で、日光を反射させると竜紋が現われる。
— 山本周五郎 『落ち梅記』 青空文庫
投げだされたのは手鏡である、由利江がせがんで持っていった、八花形のあの漢鏡であった。
— 山本周五郎 『落ち梅記』 青空文庫
くるんである綿をのけると、古い漢鏡が一面でてきた。
— 山本周五郎 『葦』 青空文庫
菅野家重代のものだという漢鏡だけ残して、恥かしいような物まで売った、女はとうに裸になっていた。
— 山本周五郎 『葦』 青空文庫