漏れ聞こえる
もれきこえる
動詞
標準
文例 · 用例
」 すると執事のなだめる声がかすかに漏れ聞こえる。
— THE ADVENTURE OF THE DYING DETECTIVE 『瀕死の探偵』 青空文庫
お多根の身回り道具を持ち出していった以上は、十中八、九兄妹ふたりして出奔したか逐電したか、いずれにしても今ごろまで浪宅にいる気づかいはあるまいと思われたのに、家の中から、よよと泣き合う忍び音が漏れ聞こえるのです。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
微かに漏れ聞こえるこの鼓動が全空間に充満している様子は地上の耳にとって耐え難いものなのだが、サバトの詠唱の半分はそのような鼓動に基づくパターンを持っていた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『魔女の家で見た夢』 青空文庫
壁の厚いのは、密談のもれ聞こえるのを防ぐためで、工事の進行程度、経費の件その他に、この日光造営にはいろいろと秘密が多かったところから、奉行所には、かならずこうした密室が一つ二つ造られたもので。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
神官の声だけ、間をおいてはたたみかけるようにもれ聞こえる。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
「どうせすぐ近所に祈祷がもれ聞こえるような人里の中で彼らは集まりはしませんからね。
— ――一名南蛮鋳物師の死―― 『青銅の基督』 青空文庫
「どうせすぐ近所に祈祷が洩れ聞こえるやうな人里の中で彼等は集まりはしませんからね。
— ――一名南蛮鋳物師の死 『青銅の基督』 青空文庫
二人の歩いて行く先に、同じような二人|連があって、その話声の中から早番だの晩番だのという言葉が漏れ聞える。
— 永井荷風 『ひかげの花』 青空文庫