特飲
とくいん
名詞
標準
文例 · 用例
大昔から街道筋のマーケットの長者は、いわば旅人の旅館も兼ね、料理屋女郎屋も兼ね、今の特飲店のようなもの。
— 坂口安吾 『曾我の暴れん坊』 青空文庫
特飲街の近くなので、毎夜のように喧嘩があり、環境は荒いが収入が多く、元今宮の南海鉄道の沿線に部屋をみつけて、翌年の夏ごろまでせっせと稼いだ。
— 久生十蘭 『虹の橋』 青空文庫
自在に男女の疏通が行なわれる特飲街の習俗の中では、貞操とか貞潔とかいう観念は、かつて生活の仕組みの中に入ったためしはない。
— 久生十蘭 『虹の橋』 青空文庫
だから、今の私には、「特飲街の探訪」と聞くだけで、なにか淡い旅愁のようなものをさえしみじみ感じさせられる。
— 正岡容 『艶色落語講談鑑賞』 青空文庫