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簑笠

簑笠
名詞
1
標準
文例 · 用例
雨は煙のようで、遠くもない八幡の森や衣笠山もぼんやりにじんだ墨絵の中に、薄く萌黄をぼかした稲田には、草取る人の簑笠が黄色い点を打っている。
寺田寅彦 竜舌蘭 青空文庫
この田かの田の下萠え、簑笠つけて早や鋤く。
北原白秋 海豹と雲 青空文庫
やがて先生の足の方の簑笠の掛つた柱の右手に文晁の描いた寒山の雙幅をかけて、先生は臥しながら見て居る。
長塚節 竹の里人〔二〕 青空文庫
それがまた釣師の狙い時ですから、阿部さんはすっかり簑笠のこしらえで、びくと釣竿を持って、雨のふるなかを毎日出かけていましたが、今年の夏はどういうものか両国の百本|杭には鯉の寄りがわるい。
岡本綺堂 三浦老人昔話 青空文庫
阿部さんも簑笠でぐっしょり濡れていますから、これも一緒に水口へまわると、お幾は蝋燭をつけて来て、大きい盥に水を汲み込んで、びくの魚を移していたが、やがて小声で「おやっ」と云いました。
岡本綺堂 三浦老人昔話 青空文庫
正面には出入りの扉ありて、下のかたの壁には簑笠などをかけ、その下には鋤またや鍬などの農具を置いてあり。
岡本綺堂 青蛙神 青空文庫
ほかに簑笠なども掛けてあり。
岡本綺堂 青空文庫
平太郎はひとまず我家へ帰って夕飯をたべ、何時でも出発できるように簑笠まで用意して、時刻を計って再び権八の家へ往ってみると、権八も身のまわりを調えて平太郎の来るのを待っていた。
田中貢太郎 魔王物語 青空文庫