当て込み
あてこみ
名詞
標準
文例 · 用例
翌年の初夏金沢の招魂祭を当て込みて、白糸の水芸は興行せられたりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
それらの人々を当て込みに甘酒屋が荷をおろしている。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
錦絵の板元では正月を当て込みにいろいろの新版を刷り出して、小売りの絵草紙屋の店先を美しく飾るのが習いで、一枚絵もある、二枚つづきもある、三枚つづきもある。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
その藤沢の宿の南側、ここから街道を切れて、石亀川の渡しを越えて片瀬へ出るのが、その当時の江の島参詣の路順であるので、その途中には開帳を当て込みの休み茶屋が幾軒も店をならべていた。
— 岡本綺堂 『恨みの蠑螺』 青空文庫
ことしのお開帳を当て込みに、自分が心棒になって休み茶屋をはじめ、近所の娘を手伝いに頼んでいるが、主人が江戸者で客あつかいに馴れているので、なかなか繁昌するという。
— 岡本綺堂 『恨みの蠑螺』 青空文庫
八幡の本社はこの二月の火事に類焼して、雪の下の町もまだ焼け跡の整理が届かないのであるが、江の島開帳を当て込みに仮普請のままで商売を始めている店も多かった。
— 岡本綺堂 『恨みの蠑螺』 青空文庫
それを当て込みに、臨時の休み茶屋や食い物店なども出来る。
— 菊人形の昔 『半七捕物帳』 青空文庫
たとえば、夜、燭を秉って遊宴中、腰掛けを聯ねた上に数猴一列となって各の手に炬火を捧げ、客の去るまで身動きもせず、けだし盗人の昼寝で当て込みの存するあり、事終るの後|褒美に残食を頂戴して舌を打つ覚悟なんだ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫