幻辞.com

揉み込む

もみこむ
動詞
1
標準
文例 · 用例
」と円い膝に、揉み込むばかり手を据えた。
泉鏡花 絵本の春 青空文庫
それにしてもあなたは……お忙しかったんでしょうね」 たとえば自分の言葉は稜針で、それを倉地の心臓に揉み込むというような鋭い語気になってそういった。
有島武郎 或る女 青空文庫
そうして物心ついてからの自分の過去を針で揉み込むような頭の中でずっと見渡すように考えたどってみた。
有島武郎 或る女 青空文庫
ヤコフ・イリイッチの豹の様な大きな眼睛は、私の眼から耳にかけたあたりを揉み込む様に見据えて居るのを私はまざまざと感じて、云うべからざる不快を覚えた。
有島武郎 かんかん虫 青空文庫
しつとりと落付いた空氣を透して、日光が妙に肌膚へ揉み込むやうに暖かで且つ暑かつた。
長塚節 青空文庫
その疑惑の深さには、現実も幻も差別がなく、揉み込めば揉み込むほど、頭の中に触れる突起がなくなってしまって、やがて彼は恍惚となってしまうのだった。
小栗虫太郎 人魚謎お岩殺し 青空文庫
――脳天に太い錐を揉み込むで、その穴から女の悲惨な幻を吐出して仕舞ひたい心に焦つて歩みを速めながら、彼は懐ろの財布をギユツと握り絞めた。
牧野信一 白明 青空文庫
その点、帰って以来、会うごとに少しずつ暗示を与え、なだめすかし、見て来たものの相違を揉み込むことに努めた自分の忍耐も、ようやく芽をふいて来たと思って彼は喜んだ。
横光利一 旅愁 青空文庫
揉み込む(もみこむ) — 幻辞.com