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笑壺

えつぼ
名詞
1
標準
文例 · 用例
そしてその試みの一つに思わず出たのが母への返答の所作でしたが、こうして母にその内実を穿き違えられてみると、穿き違えさして自分は却って笑壺に入る心地のするのは、たった一筋まだ残っていた母へのこころの通い路を自ら宣して断ち切ってしまうような感じがしてなりませんでした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
金持の隠居が世を果したのち、茶に凝り、茶器を撫で廻して笑壺に入る。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
いずこまで越したもうやとのわが問いは貴嬢を苦しめしだけまたかの君の笑壺に入りたるがごとし。
国木田独歩 おとずれ 青空文庫
後に二人は顔見合せ、徳孤ならずと笑壺に入る。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
二人は笑壺に入りて、光は、花の冠、とこしへに 吾があやまちの記念なり。
正岡子規 花枕 青空文庫
私は来た路の田舎家に、「天下の絶勝、差切新道絵葉書」とあった看板をおもい出して、笑壺に入りながら、第三紀層の礫岩らしいのを叩いて通った。
別所梅之助 雪の武石峠 青空文庫
また蕨に気をとられて夢中でいると、突然|足下から雉子が飛び出したのに驚かされたり,その驚かされたのが興となッて、一同|笑壺に入ッたりして時のうつッたのも知らず、いよいよ奥深くはいッて往ッた。
矢崎嵯峨の舎 初恋 青空文庫
「ウーム……それから」と、笑壺にいって一心に聞く。
剣山の巻 鳴門秘帖 青空文庫