錙
し
名詞
標準
文例 · 用例
營々役々として錙銖の利を爭つて、成功して資本家となつてゐるものも、これを羨望しつつ勞動者となつてゐるものも、Platon の目から見れば等しく賤業者(β)である。
— 森鴎外 『古い手帳から』 青空文庫
思うにかくのごとくにして始めていっさいの社会問題は円満に解決され、また始めて実業と倫理との調和があり、経済と道徳との一致があり、われわれもこれによりてようやく二重生活の矛盾より脱することを得、銖錙の利を争いながらよく天地の化育を賛けつつありとの自信を有しうるに至るのである。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
彼の発明の蒸汽船車なり、鉄砲軍器なり、また電信|瓦斯なり、働の成跡は大なりといえども、そのはじめは錙朱の理を推究分離して、ついにもって人事に施したる者のみ。
— 福沢諭吉 『物理学の要用』 青空文庫
紅塵万丈の中この一小閑地を残して荒涼たる山間の趣を留む、夫の錙銖を争ふ文明開化なる者に疑ひなき能はざるなり。
— 正岡子規 『四百年後の東京』 青空文庫
父曰く、汝の職苟も名主たり、然るに商となりて錙銖を計らんとするは何ぞやと。
— 木下尚江 『臨終の田中正造』 青空文庫