聞き咎める
ききとがめる
動詞
標準
文例 · 用例
老紳士が、かの女たちに話しかける声音は、場内で一番大きく響いたが、誰も聞き咎める様子もなかった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
」と、侍は俄かに聞き咎めるように言った。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
「御出家……」と、玉藻は聞き咎めるように言った。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
「『真実に、叔母さんは可羨しい』なんて、豊世さんはそんなことを言って帰りましたっけ」「でも、お前は不平だって言うじゃないか」と三吉は聞き咎める。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
が、それだけはうっかりして口から洩れたらしく、箱の中の千鶴子は聞き咎める眼でふり向いた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
」と岩太郎は聞き咎める。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
その度毎に、あたりを見廻したが、幸いにも誰も聞き咎める者はない、ありとすればあの桶屋のおやじだけだが、桶屋のおやじがどうなるものか。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
しかし全く――」僕は外套に腕を通し釦をかけながら、「お前も星菫派だな」 男はふと顔を上げて聞き咎める表情であったが、既に僕はその時着終って腰を掛けていた。
— 梅崎春生 『蜆』 青空文庫