祭
まつり
名詞
標準
文例 · 用例
村の或家さ瞽女がとまったから聴きにゆかないか、祭文がきたから聴きに行こうのと近所の女共が誘うても、民子は何とか断りを云うて決して家を出ない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
隣村の祭で花火や飾物があるからとの事で、例の向うのお浜や隣のお仙等が大騒ぎして見にゆくというに、内のものらまで民さんも一所に行って見てきたらと云うても、民子は母の病気を言い前にして行かない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
十五日がこの村の祭で明日は宵祭という訣故、野の仕事も今日一渡り極りをつけねばならぬ所から、家中手分けをして野へ出ることになった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
宵祭ではあり十三夜ではあるので、家中表座敷へ揃うた時、母も奥から起きてきた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
なに政夫を学校へ遣ってしまいさえせば仔細はないと母の心はちゃんときまって居るらしく、「政や、お前はナ十一月へ入って直ぐ学校へやる積りであったけれど、そうしてぶらぶらして居ても為にならないから、お祭が終ったら、もう学校へゆくがよい。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
十四日は祭の初日でただ物せわしく日がくれた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
「白楊の枝の上で体をゆすぶる」セイレネスの妖態や「サチロス仲間に気に入る」バックス祭尼の狂態、すなわち腰部を左右に振って現実の露骨のうちに演ずる西洋流の媚態は、「いき」とは極めて縁遠い。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
炎々と燃えているかがり火も美の神を祭っているとしか思えない。
— 九鬼周造 『祇園の枝垂桜』 青空文庫
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祭(まつり)は、多義語であり、元の意味は神仏や祖先をまつる行為や儀式を指し、特定の日に供物をささげて祈願・感謝、あるいは慰霊すなわち霊を慰めることなどを行うことを主に指し、この意味では祭祀(さいし)、祭礼(さいれい)、祭儀(さいぎ)とも言うが、現在では映画祭、陶器まつり、着物まつりなど、業界団体や商店街などが祝賀・記念・商売・宣伝などのために定期的に行う催事、あるいは大学で学生が毎年行うことがある大学祭や中学・高校で行われることもある文化祭など、神仏や先祖とは無関係な催事も含めて、広く祭という。
出典: 祭 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0