初孫
ういまご異読 はつまご
名詞
標準
first grandchild
文例 · 用例
田舍の寂しい畔道で、名も知れぬ村社の神の、小さな祠の前に額づいてゐる農夫の老婆は、その初孫の晴着を買ふために、今年の秋の收穫に少しばかりの餘裕を惠み給へと祈つてゐるのだ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
お峰は世間の母親のように、初孫の顔を見るのを楽しみに安閑とその日を送ってはいられなかった。
— 岡本綺堂 『経帷子の秘密』 青空文庫
宗兵衛の長女の今年十一になるお俊の――おかんは、彼女に取っては初孫であったお俊を、どんなに心から愛して居たか分らなかった――絶え間もない欷り泣の声が、初は死にかけて居るおかんの胸をも、物悲しく掻き擾さずには居なかった。
— 菊池寛 『極楽』 青空文庫
三人の子供を育て、結婚した長女に初孫の生まれたのが、敗戦から間もない一九四六(昭和二十一)年一月。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
女房のお藤もやはり不同意で、たとい隠居するにしても、娘に相当の婿をとって初孫の顔でも見た上でなければならないと主張した。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
弟が中学生になつてから間もなく、おかくは初孫を得て、その養育係りのために怒山へ呼び戻されましたが、その前後から孫の父である片目のぶくりんが不意と行衛不明になつたのださうです。
— 牧野信一 『月あかり』 青空文庫
それでもお祖母様は、どんなにか初孫の顔を御覧になりたくておいでになったでしょう。
— 夢野久作 『押絵の奇蹟』 青空文庫
こういうふうであるから、若夫婦の仲にまだ初孫の顔を見ることの出来ないのをお秀が一つの不足にして、そのほかには加賀屋一家の平和を破るような材料は一つも見いだされなかった。
— 松茸 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
例句