食い足りない
くいたりない
形容詞
標準
not eating enough
文例 · 用例
そのため非難するものは、蕪村の句が絵画的描写に走って、芭蕉のような渋い心境の幽玄さがなく、味が薄く食い足りないと言うのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
が、資本家にとっては、まだ食い足りないことであり、手ぬるいことであり、歯がゆいことであったが、やや「愉快」なことでもあった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そうして世の常の女では食い足りないで、好んでお角のような女をお求めになるのかも知れない、というようなことまで船宿の夫婦は想像してみましたけれど、まさか、どういう御関係でございますと聞いてみるわけにもゆかず、そのままにしておりました。
— 小名路の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
指の先では食い足りないと思った時は、二の腕をまくり上げて針を立てます。
— 小名路の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
こうして神尾は、今のところ、お絹の働きによって養われている有様だが、これは神尾にとって不満であるように、お絹にとっても食い足りない。
— 他生の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
大食のオタツはいくら食っても食い足りないらしく、ナガレ目の食物を荒して何かとまきあげて食うのがタノシミらしかったそうだ。
— その十二 愚妖 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
また、近ごろ出版される料理書の殆んどがこの点には全く無関心、食い足りないものばかりなのは嘆かわしい次第です。
— 北大路魯山人 『「春夏秋冬 料理王国」序にかえて』 青空文庫
耳の横や食い足りない思いをして居る大きな口のまわりに特に濃く、そして体全体に異様にねっとり粘りついている蒼黒さは東端の貧の厚みからにじみ出すものだ。
— 宮本百合子 『ロンドン一九二九年』 青空文庫
標準
unsatisfied