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春濤

しゅんとう
名詞
1
標準
文例 · 用例
菊池容斎は寺納豆、藤田東湖は訥庵と同じやうに鰻の蒲焼、森|春濤は蚕豆、生方鼎斎はとろゝ汁、椿椿山は猪肉、藤森弘庵は鼠のやうに生米を囓るのが好きで好きで溜らぬらしかつた。
大正五(一九一六)年 茶話 青空文庫
明治二十四年十一月春濤居士識        一 美作国粂郡に皿山という山があります。
三遊亭圓朝 菊模様皿山奇談 青空文庫
それを委細かまわず道庵が、古今の詩を論じ去り、論じ来って、星巌、湖山、春濤まではまあいいとして、「君たちは、山陽なんぞを問題にするがものはねえ、この尾張の国から、森槐南という大物が出ている、あれは大したものだねえ。
年魚市の巻 大菩薩峠 青空文庫
春濤は曾てこういって「竹枝」をうたいました――楼々姉妹、去つて花を看る閙殺す、紅裙六幅の霞怪しまず、風姿の春さらに好きを媚山明水小京華暖は城墟に入つて春樹|香ばしはしなく嗾し得たり少年の狂遊塵一道、半ば空に漲る花は白し春風、桜の馬場 飛騨の高山はこういう艶っぽいところであります。
勿来の巻 大菩薩峠 青空文庫
)雪風十月捲春濤、寒徹衣衾烈似刀、法句洲居何所得、一年生計在羊毛。
井上円了 南半球五万哩 青空文庫
ところが私の親父は半面|森春濤門下の漢詩人で晩年には「北越詩話」という本を三十年もかかって書いており、家にいるときは書斎にこもったきり顔をだすことがなく、私が父を見るのは墨をすらされる時だけであった。
坂口安吾 石の思い 青空文庫
一昨年の春わたくしは森春濤の墓を掃いに日暮里の経王寺に赴いた時、その門内に一樹の老桜の、幹は半から摧かれていながら猶全く枯死せず、細い若枝の尖に花をつけているのを見た。
永井荷風 上野 青空文庫
わたしはかつて愛誦した『春濤詩鈔』中の六扇紅窓掩不開――妙妓懐中取煖来という絶句を憶い起すと共に妓を擁せざるもパンを抱いて歩めばまた寒からずと覚えず笑を漏らした事もあったほどである。
永井荷風 雨瀟瀟 青空文庫