砒霜
ひそう
名詞
標準
文例 · 用例
寧波のお時を小間使に化けさせ、まず邪魔な惣領のお梅を砒霜の毒で気長に盛り殺し、怪談の『金鳳釵』を種本にこまごまと書きおろしたこのひと幕。
— 金鳳釵 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
姦夫の足業は武大を悶絶させ、妖婦は砒霜の毒を秘めてそら泣きに泣くこと 武大はいつもの公園に出て、蒸饅頭の蒸籠店をひろげていた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
旦那のおたくは薬種問屋、砒霜なんかもおありでしょう」「あ、あれか」「毒をくらわば皿までとか。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
ねえ、おくすりでも飲んで」 彼女は婆からそっと授けられた劇毒の砒霜をつねに身に秘していた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
今こそと、彼女は砒霜の粉を碗に溶かして、武大に飲ませた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
万が一、砒霜の毒気が残っていて、それに中てられたとしたら大変である。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
鼻や口にも吐血した塊りが残っているし、五体は紫斑点々で、劇毒の砒霜を一服|盛られたナ……と、すぐ見当がつきましたから、こっちも途端に、腹を抑えて、ウウムと苦しんで見せたんですよ」「そいつあまた、どういうわけで」「この九叔としては、納棺の判証は下せませんから、じつあ仮病をつかって逃げたんです。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
……都頭さん、これで一切はもうおわかりでございましょうが」「いや、すまなかった」 深く、頭を下げて、武松は短刀をふところの鞘におさめ、「……つまり下手人は、嫂の金蓮なんだな」「それと、隣の王婆」「砒霜は、何処から?
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫